【メディア草紙】1974 2015年9月15日(火)
■鬼怒川決壊と『河北新報のいちばん長い日』■
▼9月13日から17日は、七十二候の「鶺鴒鳴」(せきれいなく)。鶺鴒は稲田の水辺を飛び、ピユピユと鳴く。その鳴き声で稲刈り時を教えてくれる。
2015年の9月10日、大雨が続き、鬼怒川(きぬがわ)の堤防が決壊した。多くの行方不明者を出した豪雨で、まわりの稲田も冠水してしまった。
▼氾濫した激流の中、取り残された人々が屋根の上から、マンションのベランダから、必死で手を振る映像がテレビで何度も流された。何千万もの人々が見入ったと思う。
救援ヘリに向かって手を振る人々の姿を見ながら、ぼくはハラハラした気持ちの片隅で、『河北新報のいちばん長い日』(著者=河北新報社、文春文庫)に出てくる門田記者のことを思い出した。
▼『河北新報のいちばん長い日』には、渾身の報道が〈結果として無力だった〉例が描かれている。
2011年3月12日早朝、河北新報の写真記者である門田勲氏は、福島空港から中日新聞のヘリコプターに同乗した。言うまでもなく、前日に起きた東日本大震災の取材である。
――――――――――
〈門田はファインダーから目が離せなかった。あまりの恐怖のため、肉眼で被災の光景を直視することができなかったのだ。(中略)
ヘリは石巻市上空に来た。整備士が「あそこに人がいます」と声を上げた。小学校の屋上に「SOS」の文字が見える。白紙を並べて文字を作ったのだろう。救出を待つ人々がヘリに向かって腕を振って大声で叫んでいた。周囲は浸水している。手を差し伸べたいが、何もできない。無力感で折れそうな心を抱えながら、上空を旋回して写真を撮り続けた。
「ごめんなさいね、ごめんなさいね、ごめんなさいね……」
突然、隣席に座る中日のカメラマンがつぶやきはじめた。「僕たちは撮ることしかできない。助けてあげられないんだ……」
彼は眼下の人々に詫びるように、何度も独り言をつぶやいた。門田も「そうだよな」とうなずいた。そう言わないとシャッターを切れなかった。いまこの瞬間に亡くなるかもしれない人が真下に多数いる。自分たちの行為は見殺しと同じではないのか。
「何やってんだ、俺。最低……」
ひたすら自分を呪った。〉(72頁)
――――――――――
▼ヘリから見ても、その学校の名前すらわからなかった。一面が水没し、海のようになっていたからだ。建物の屋上で、避難者たちはコピー用紙を並べて「SOS」をつくっていた。門田氏が撮った写真は3月13日付の河北新報に載った。
▼河北新報は2011年5月13日付から、「ドキュメント大震災」という、60回を超える連載を始める。その〈狙いは、情報が交錯した震災当初、断片的にしか伝えられなかった被災現場の状況をあらためて掘り起こして再現することである〉(257頁)
連載第一回には、「屋上のSOS」の写真が選ばれた。
〈屋上のSOS(石巻) 3月13日の朝刊に、石巻市の学校を上空から撮影した写真が載った。屋上に「SOS」の白い文字が浮かんでいる。小さな人影が両手を大きく広げ、助けを求めていた〉
取材ヘリの下で何が起きていたのか。河北新報は、自らの紙面を自ら検証したのだ。
その学校は、石巻工業港から1キロほど北上したところにある大街道小学校だった。大街道小に避難し、孤立していた人の数は約600人。そして、検証取材によって衝撃的な事実がわかった。
取材は大震災の翌日。写真が載ったのは大震災の二日後。しかし〈(石巻市立病院の看護師は)日赤の緊急医療チームがやって来たのは震災1週間後だった、と記憶する。〉
▼検証の結果に、門田氏は大きなショックを受けた。
――――――――――
〈自分たちが乗ったヘリに向かって腕をちぎれんばかりに振っていた女性たちは、はっきりと「救助」を求めていた。せめて、「食糧」だけでも落としてくれればと願っていた。しかし、そのヘリは飛び去ってしまった。その後数日間、飢えと寒さが襲い、死んでいった人もいた。医療チームが救命に派遣されたのが一週間後だったことにも愕然とした。
「新聞に写真が載れば自衛隊や警察の目に留まり、速やかな救出活動につながるのではないか、そうすれば間接的にも人命救助に貢献したことになる……そんな思いで自分の気持ちを割り切っていたのだが、現実ははるかに厳しいものだった。医療チームが入るまで相当な時間がかかり、あの写真が結果として無力だったことが分かった。いったい報道とは何だ? 俺の仕事は本当に人の役に立っているのだろうか?……」
ふたたび強烈な自己嫌悪に陥った門田は、今も苦しみながら自問自答を続けている。〉
262頁
――――――――――
▼人としてのあり方を問われるような情況下で取材し、その内容が載った新聞を刷っても、「結果として無力だった」とわかった時の衝撃は、想像できない。
マスメディアの役割はたくさんある。突き放して指摘すれば、自分が属する「法人の利益のため」に働くことがマスメディア人の最大の役割である。しかし『河北新報のいちばん長い日』に描かれている出来事は、そんな「擬制」を突き抜けた場所で起きたことばかりだ。
正確な情報を、公共の場で共有すること。これが最も大事な役割だった。そしてそれはメディア本来の役割だ。しかし、河北新報のこの報道の場合、必要な情報が、必要な人に伝わらなかった。
まず、SOSの場所が不明だった。もしかしたら、伝わるべき人、部局に伝わっていたのかもしれない。想像を絶する修羅場の渦中で、対応が間に合わなかったのかもしれない。
▼メディアには「環境監視」という機能がある、と伝統的にいわれている。世界各国でメディア理論の教科書として使われている『マス・コミュニケーション理論』に、以下の記述があった。これは政治報道についての解釈だが、部分的には災害報道にも当てはまると思う。
――――――――――
〈新聞もテレビのニュースも、膨大なエネルギーと努力をそそぎこんで数々の政治キャンペーンを取材し、その努力の成果をオーディエンスに届ける。もし、読者や視聴者がその報道を読んだり見たりしなかったなら(利用しなかったら)、コミュニケーションは発生せず、意図された機能は生じない。
しかし、もし読者や視聴者が報道を読んだり見たりすれば、そのとき、私たちが環境監視と呼んでいる意図された機能が生じうる。
このようにメディアは、人々がその内容を何らかの形で利用しなければ、意図した機能を果たしようがない。環境監視機能が生じるためには、重要な出来事についてのニュース情報が、能動的オーディエンスが利用することによって型どおりに伝達され、その結果、こうした出来事についての学習が広まらなければならないのである。
このように、ニュース・メディアは、十分な数のオーディエンスがメディア内容を何らかのかたちで利用する意志と能力があるときに限り、こうした社会レベルの機能を果たすことができるのである。〉
スタンリー・J・バラン、デニス・K・デイビス
『マス・コミュニケーション理論 下』378頁
第10章 メディアとオーディエンス
新曜社、2007年
――――――――――
▼あの時、大街道小学校の周辺を含めて、河北新報が届いた地域内には、ふだんの社会の「型」は存在しなかった。『マス・コミュニケーション理論』の表現に倣えば、読者が報道を読み、利用しようとしても、利用することが不可能だったために、報道は社会レベルの機能を果たすことができなかったのだ。門田氏は立派にジャーナリストとしての仕事を果たしたと思う。
こんなことを書いても、門田氏の苦しみが軽くなることはないとわかっているのだが、鬼怒川の堤防決壊の報道をテレビで見ていたら、書いておきたくなった。災害の形態も、規模もまったく違うのだが。
▼今回の豪雨では、たくさんの機関のたくさんのヘリが役割を分担し、たくさんの人命を救った。
――――――――――
〈ミソコプター @miso_copter
報道ヘリと救助ヘリは122.6MHz等で相互に連絡を取り合って空中衝突を回避している。要救助者を発見しては報告しているのは報道ヘリである。〉
〈Flying Zebra @f_zebra
報道ヘリの飛行高度を制限し、定期的に広角に引いて撮影して広域の情報を確認したり、被災者の捜索、通報に協力するなど、過去の災害報道での教訓から定められた様々な決めごともうまく機能したようだ。不備を責め立てるのではなく、改善する姿勢が大切なのだと思う。〉
〈ミソコプター @miso_copter
テレ朝報道ヘリが救助を邪魔したって言ってる人多いけど、実際は救助の陸自ヘリ(UH-60)高度50m、テレ朝ヘリ(EC135)300〜450m、NHKヘリ450〜600mで全ての辻褄が合う。つまり望遠レンズの圧縮効果による錯覚。feetにすれば1000,1500,2000のどれか〉
――――――――――
▼自衛隊をはじめとするレスキュー隊は、信じがたい精度で次々と人命を救っていった。すさまじい訓練の賜物なのだろう。自衛隊のこの「命を救う力」を、海外で必要とする人がたくさんいる。
鬼怒川決壊の次の日、「東日本大震災から4年半」の記事が各紙に載った。4年半経った今もなお、国内避難者の数は19万8513人にのぼる。
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竹山綴労
(読者登録数)
・Eマガジン 4664部
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・AMDS 20部
【編集方針】
「本が焼かれたら、灰を集めて内容を読みとらねばならない」(ジョージ・スタイナー「人間をまもる読書」)
「重要なのは、価値への反応と、価値を創造する能力と、価値を擁護する情熱とである。冷笑的傍観主義はよくて時間の浪費であり、悪ければ、個人と文明の双方に対して命取りともなりかねない危険な病気である」(ノーマン・カズンズ『ある編集者のオデッセイ』早川書房)
2015年9月15日火曜日
2015年9月10日木曜日
ドローンの難民ルポ、独仏英の反応、読者投稿、えとせとら
【メディア草紙】1973 2015年9月10日(木)
■ドローンの難民ルポ、独仏英の反応、読者投稿、えとせとら■
【目次】
▼ドローンのルポ 高速道路を歩く難民たち
▼シリア難民の歴史、トルコ、レバノン
▼独仏英の反応は違う
▼読者投稿 AAさん
▼引き続き、欧州難民危機の基礎情報をメモしておく。
――――――――――
ニッケルスドルフ(オーストリア東部)=坂口裕彦記者〈シリア人のマザン・アイドさん(47)は「高速道路を10時間も歩いた。2時間は雨に打たれた。でも最後にドイツに行くことができればいいんだ」と語った。〉
毎日9月6日付1面トップ
――――――――――
上記記事は、ハンガリーからオーストリアまで歩いた人々に同行したルポである。
http://mainichi.jp/shimen/news/20150906ddm001030172000c.html
その人々を、BBCがドローンで俯瞰した。
――――――――――
BBC News Japan @bbcnewsjapan
【BBC】しびれ切らした数千の移民、高速道路を歩いて国境へ
https://www.youtube.com/watch?v=VRI4wgvqofA&feature=youtu.be
2015/09/06 に公開
ハンガリーのブダペストにたどり着いたシリアなどからの移民たち。鉄道での移動を阻止されていましたが、しびれを切らした数千人は高速道路を歩いてオーストリア国境へ。当局は「安全確保のため」としてバスを提供しましたが、さらに多くの人が歩いて国境を目指しています。ドローンで撮影した映像とともにお伝えします。
――――――――――
▼ハンガリーからオーストリアの国境を超え、ニッケルスドルフからウィーンまで列車に乗り、さらにウィーンで乗り換えて、400キロ西に走ると、ドイツのミュンヘンに着く。そのミュンヘンを擁するバイエルン州の知事が、メルケル首相を批判しているわけだが。
▼翌7日付1面の毎日記事には、当たり前のコメントが載っている。当たり前のことでも、書かれないとなかなか想像できない。
――――――――――
ブダペスト=坂口裕彦記者〈「ここまでたどりついたのは、シリア国内でも経済力があった人たちだ。貧しい人は国外に出るのも難しいし、欧州まで来るなんて不可能だ」。生後4カ月の赤ちゃんをあやしながら国境の街、ヘゲシャロム行きの列車を待つモハメド・アブドラさん(28)は流ちょうな英語で語り始めた。〉
毎日9月7日付1面
――――――――――
▼ドイツは具体的にどう対応しているのかというと、〈EUで難民申請をするには、EU入りした時点で登録が必要。だが、独政府はシリア人に限って未登録を理由に追い返さない例外措置を示唆したのだ。〉毎日9月6日付
▼シリア難民の現状について。シリアの人口2200万人のうち、22万人が命を奪われ、国内で避難している人が760万人おり、国外に逃れた人(いわゆる難民)が408万9000人(難民支援協会のウェブサイト参照)。つまり人口の半分以上が避難民である。シリアは国家の体をなしていない。
▼日本で難民認定を得られたシリア人は、3人だそうだ。
▼すでにシリアの周辺国、トルコとレバノンには難民が溢れている。
――――――――――
〈シリアと欧州の間にあるトルコは既に200万人近いシリア難民を受け入れ、過去4年間に55億ドル(約6600億円)を費やした。難民流入による国境地帯の不安定化を懸念する声もあり、今年6月には治安部隊が放水で難民の流入を一時阻止する事件が起きた。
レバノンも人口の2割近くをシリア難民が占める状況を受けて、今年1月にシリア人入国希望者にビザ取得を義務付けた。マシュヌク内相は新政策導入時の記者会見で「もう十分だ。これ以上、難民を受け入れる余地はない」と漏らした。〉
毎日9月7日付
――――――――――
▼EUは今年の5月以降、対応策が変化した。
――――――――――
〈難民受け入れを巡っては、欧州委が5月、加盟国ごとに経済規模などに応じた義務的な受け入れ枠を配分する割当制度を提案した。しかし、難民の受け入れ実績の少ない東欧やバルト諸国を中心に加盟国の反発が強く、自主的な受け入れに転換。6月のEU首脳会議で、今後2年間でイタリアやギリシャに到着する4万人の難民の受け入れを目指すことで一致した。
ただ夏以降、さらに難民流入が急増し、問題が深刻化していることから、欧州委は義務的な割当制度を再提案する方向で検討する。新たにハンガリーに到着する難民の受け入れ分担も加え、受け入れ目標を従来の4倍の16万人に増やすよう追加提案する方針。〉
日経9月7日付
――――――――――
▼ここで重要なのはドイツ、フランス、イギリスの対応だ。今のところ「アランちゃんの写真」の衝撃もあり、西欧にはシリア難民を道義的に受け入れるべきだという論調が強いように見受けられるが、3カ国をみくらべると、もちろん世論が異なる。やはり大きく腑分けすると「ドイツとそれ以外」になる。
▼まず、ドイツ経済は難民ウェルカム。〈ドイツの副首相を務めるガブリエル経済・エネルギー相は7日、公共放送の番組の中で、「ドイツはこの先数年の間、年間50万人の難民を受け入れることが十分に可能だ」と述べました。その理由として、ガブリエル副首相は、好調な経済や労働力不足を挙げ、難民らの受け入れに伴う増税は必要ないとしています。〉NHK9月8日
しかし難民への攻撃は確実に増えている。
――――――――――
〈【ミュンヘン時事】難民施設で火災、5人けが=極右が放火か
DPA通信などによると、ドイツ南西部のバーデン・ビュルテンベルク州ロッテンブルクにある難民収容施設で7日未明、火災があり、難民ら5人がけがをした。極右勢力による放火の可能性もあり、警察が捜査している。施設には80人余りの難民が滞在していた。けが人は上階の窓から飛び降りて骨を折ったり、煙を吸ったりして病院に搬送された。
中部のテューリンゲン州エーベレーベンでも7日未明、難民受け入れ施設になる予定だった建物が焼けた。けが人はいなかった。警察報道官は「政治的動機に基づく放火」の疑いを指摘した。
放火など難民施設の被害は上半期だけで約200件に上り、昨年1年間の総数を上回っている。最近の難民殺到で、受け入れに反対する動きがさらに強まる恐れもある。〉
9月7日
――――――――――
▼いっぽうイギリスは?
――――――――――
BBC News Japan @bbcnewsjapan 9月7日
シリアやリビアからの難民受け入れを増やすべきかについて、BBC番組委託で4~6日にかけて1000人に電話で世論調査を行ったところ、現状維持か現状以下がいいという回答が計57%に。増やすべきという答えは40%でした(英語記事)
https://twitter.com/BBCNews/status/640951441914503168
――――――――――
「受け入れ増やす」派は案外少ない。フランスも相変わらず国民戦線が元気いっぱい。
――――――――――
〈「低賃金で働く奴隷を募集」と難民受け入れの独を非難
仏極右ルペン党首
フランスの極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首は南部マルセイユで開いた党集会で6日、シリアなどからの難民を多数受け入れるドイツに対して「低賃金で働く奴隷を求めている」などと非難した。ロイター通信が伝えた。
報道によると、ルペン氏は「ドイツは自国の人口が伸び悩んでいると考え、低賃金の労働者を求め、大量の移民受け入れを通じて奴隷の雇用を続けている」と演説した。
2017年のフランス大統領選に関する最近の世論調査では、移民や難民受け入れに強く反対するルペン氏の支持率が社会党のオランド大統領らを上回り、決選投票に進むと予想されている。〉
共同9月8日付
――――――――――
▼なぜドイツがこんなに自信満々なのか。やはり毎日の解説がわかりやすかった。
――――――――――
〈独国内では受け入れに前向きな意見が多い。独第1公共テレビの世論調査では、59%が難民を受け入れるべきだと回答。内戦を逃れた難民の受け入れは96%が「正しい」とした。
背景には、これまでに大量の難民を受け入れてきた実績と、人手不足を難民受け入れで緩和できるというしたたかな計算がある。ドイツには第二次大戦直後、東欧を追われたドイツ人1000万人以上が逃れて来た。そのため、難民となった経験のある親族を持つ人も多い。ユーゴスラビア紛争中の1992年には43万人の難民申請を受けたこともあり、昨年も20万件の難民申請があった。
独労働社会省によると、好景気のドイツでは60万人の人手が不足。さらに、少子高齢化で今後10年間に労働人口は650万人減少すると予測される。ショイブレ財務相は5日、60億ユーロ(約8000億円)の今年の財政黒字を難民対策に充てる考えを示し、財政的にも対応可能だと表明した。〉
毎日9月7日付
――――――――――
▼読者のAAさんから、「ML civilsocietyforum」への投稿をこちらにも送っていただいた。
――――――――――
竹山様
難民問題についてのマガジン有難うございます。大変参考になります。他のMLに表記のような投稿がありそれに対して返信を書いたので元記事(英文)と一緒に転送します。参考になれば幸いです。
#Subject: [civilsociety-forum:8980] Why Boat Refugees Don't Fly! - Factpod
#1
https://www.youtube.com/watch?v=YO0IRsfrPQ4
Why Boat Refugees Don't Fly! - Factpod #16
Gapminder Foundation Gapminder Foundation
This shows you why the refugees crossing the mediterranean by boat, can't just fly to Europe.
現在の難民問題はイラク戦争、アラブの春 の結果だとはいえないでしょうか?
欧米は民主化支援と言う名目で戦争を起こしたり内乱に軍事介入したりしました。しかし各国の民主化勢力は民衆の支持があまりなくむしろフセイン政権やカダフィ政権に弾圧されたイスラム原理主義勢力が支持を集めリビアなどで政権打倒の中心になったしシリアでも状況は同じです。
これをどう評価するかは難民問題を考える上で欠かせないでしょう。またこれは現在の安保法制、集団的自衛権の問題とも無関係ではありません。安倍政権は安保法制を中国や北朝鮮を念頭に置いていて場合によっては中国と戦争をしたいという気持ちがあるようですが現実問題としてそれは無いとおみます。
むしろ危険なのは中近東(もしかしたら中国も)で民主化要求運動が過激化してそれに民主化支援という名目で軍事介入する可能性です。もちろん常識的には民主化支援と集団的自衛権とは無関係ですがこれまでの安倍政権のやり方を見ていればそう言って安心できません。
そのためにもイラク戦争、アラブの春、さらにはウクライナ問題などでの「民主化」支援はなにだったのか総括が必要ではないでしょうか。
――――――――――
▼難民危機は欧州が自ら招いた、という評価がある。否定できない現実だ。
“The migrant crisis in Europe is essentially self-inflicted,” said Lina Khatib, a research associate at the University of London and until recently the head of the Carnegie Middle East Center in Beirut.
INYT9月5日付
▼気になる点の一つは、この「欧州」という言葉に気をつけないといかん。「欧州」の中には西欧も中欧も東欧も南欧もある、ということ。
▼もう一つは、「西側」という時に、日本も入るのかどうか、ということ。当然、入る。
――――――――――
メディア草紙(竹山綴労のメモ) @offnote_
「難民認定、対象拡大の方針 法務省」朝日9月5日付1面トップ▼遅すぎ少なすぎ。やらないよりマシ。日本の難民申請者は2014年は5000人。認定は11人▼法務省は「日本はアフガンとイラクで戦争協力した」事実を知らないのだろう。国境も地続きでないし▼あと数年はこの恥知らず体制が続く。
――――――――――
池田香代子氏 @ikeda_kayoko の「にわかにシリア難民がフォーカスされているけれど、これまでもヨーロッパを目指す難民の奔流はアフガンから、イラクから、アフリカの各地から途切れる事なく続いている。クルド人というグループも。そして地理的にいま日本が最も考えるべきは、ミャンマーなどのロヒンギャではないかなあ」という意見もある。尤もだと思う。
いろいろメモしながらも、なかなか「我が事」として考えられない性(さが)なのだが、少なくとも「他人事」ではないと感じるわけです。この感じを失うと、ぼくの場合、「世界の中の日本」という視点も無くしてしまうだろうナ。
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■ドローンの難民ルポ、独仏英の反応、読者投稿、えとせとら■
【目次】
▼ドローンのルポ 高速道路を歩く難民たち
▼シリア難民の歴史、トルコ、レバノン
▼独仏英の反応は違う
▼読者投稿 AAさん
▼引き続き、欧州難民危機の基礎情報をメモしておく。
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ニッケルスドルフ(オーストリア東部)=坂口裕彦記者〈シリア人のマザン・アイドさん(47)は「高速道路を10時間も歩いた。2時間は雨に打たれた。でも最後にドイツに行くことができればいいんだ」と語った。〉
毎日9月6日付1面トップ
――――――――――
上記記事は、ハンガリーからオーストリアまで歩いた人々に同行したルポである。
http://mainichi.jp/shimen/news/20150906ddm001030172000c.html
その人々を、BBCがドローンで俯瞰した。
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【BBC】しびれ切らした数千の移民、高速道路を歩いて国境へ
https://www.youtube.com/watch?v=VRI4wgvqofA&feature=youtu.be
2015/09/06 に公開
ハンガリーのブダペストにたどり着いたシリアなどからの移民たち。鉄道での移動を阻止されていましたが、しびれを切らした数千人は高速道路を歩いてオーストリア国境へ。当局は「安全確保のため」としてバスを提供しましたが、さらに多くの人が歩いて国境を目指しています。ドローンで撮影した映像とともにお伝えします。
――――――――――
▼ハンガリーからオーストリアの国境を超え、ニッケルスドルフからウィーンまで列車に乗り、さらにウィーンで乗り換えて、400キロ西に走ると、ドイツのミュンヘンに着く。そのミュンヘンを擁するバイエルン州の知事が、メルケル首相を批判しているわけだが。
▼翌7日付1面の毎日記事には、当たり前のコメントが載っている。当たり前のことでも、書かれないとなかなか想像できない。
――――――――――
ブダペスト=坂口裕彦記者〈「ここまでたどりついたのは、シリア国内でも経済力があった人たちだ。貧しい人は国外に出るのも難しいし、欧州まで来るなんて不可能だ」。生後4カ月の赤ちゃんをあやしながら国境の街、ヘゲシャロム行きの列車を待つモハメド・アブドラさん(28)は流ちょうな英語で語り始めた。〉
毎日9月7日付1面
――――――――――
▼ドイツは具体的にどう対応しているのかというと、〈EUで難民申請をするには、EU入りした時点で登録が必要。だが、独政府はシリア人に限って未登録を理由に追い返さない例外措置を示唆したのだ。〉毎日9月6日付
▼シリア難民の現状について。シリアの人口2200万人のうち、22万人が命を奪われ、国内で避難している人が760万人おり、国外に逃れた人(いわゆる難民)が408万9000人(難民支援協会のウェブサイト参照)。つまり人口の半分以上が避難民である。シリアは国家の体をなしていない。
▼日本で難民認定を得られたシリア人は、3人だそうだ。
▼すでにシリアの周辺国、トルコとレバノンには難民が溢れている。
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〈シリアと欧州の間にあるトルコは既に200万人近いシリア難民を受け入れ、過去4年間に55億ドル(約6600億円)を費やした。難民流入による国境地帯の不安定化を懸念する声もあり、今年6月には治安部隊が放水で難民の流入を一時阻止する事件が起きた。
レバノンも人口の2割近くをシリア難民が占める状況を受けて、今年1月にシリア人入国希望者にビザ取得を義務付けた。マシュヌク内相は新政策導入時の記者会見で「もう十分だ。これ以上、難民を受け入れる余地はない」と漏らした。〉
毎日9月7日付
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▼EUは今年の5月以降、対応策が変化した。
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〈難民受け入れを巡っては、欧州委が5月、加盟国ごとに経済規模などに応じた義務的な受け入れ枠を配分する割当制度を提案した。しかし、難民の受け入れ実績の少ない東欧やバルト諸国を中心に加盟国の反発が強く、自主的な受け入れに転換。6月のEU首脳会議で、今後2年間でイタリアやギリシャに到着する4万人の難民の受け入れを目指すことで一致した。
ただ夏以降、さらに難民流入が急増し、問題が深刻化していることから、欧州委は義務的な割当制度を再提案する方向で検討する。新たにハンガリーに到着する難民の受け入れ分担も加え、受け入れ目標を従来の4倍の16万人に増やすよう追加提案する方針。〉
日経9月7日付
――――――――――
▼ここで重要なのはドイツ、フランス、イギリスの対応だ。今のところ「アランちゃんの写真」の衝撃もあり、西欧にはシリア難民を道義的に受け入れるべきだという論調が強いように見受けられるが、3カ国をみくらべると、もちろん世論が異なる。やはり大きく腑分けすると「ドイツとそれ以外」になる。
▼まず、ドイツ経済は難民ウェルカム。〈ドイツの副首相を務めるガブリエル経済・エネルギー相は7日、公共放送の番組の中で、「ドイツはこの先数年の間、年間50万人の難民を受け入れることが十分に可能だ」と述べました。その理由として、ガブリエル副首相は、好調な経済や労働力不足を挙げ、難民らの受け入れに伴う増税は必要ないとしています。〉NHK9月8日
しかし難民への攻撃は確実に増えている。
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〈【ミュンヘン時事】難民施設で火災、5人けが=極右が放火か
DPA通信などによると、ドイツ南西部のバーデン・ビュルテンベルク州ロッテンブルクにある難民収容施設で7日未明、火災があり、難民ら5人がけがをした。極右勢力による放火の可能性もあり、警察が捜査している。施設には80人余りの難民が滞在していた。けが人は上階の窓から飛び降りて骨を折ったり、煙を吸ったりして病院に搬送された。
中部のテューリンゲン州エーベレーベンでも7日未明、難民受け入れ施設になる予定だった建物が焼けた。けが人はいなかった。警察報道官は「政治的動機に基づく放火」の疑いを指摘した。
放火など難民施設の被害は上半期だけで約200件に上り、昨年1年間の総数を上回っている。最近の難民殺到で、受け入れに反対する動きがさらに強まる恐れもある。〉
9月7日
――――――――――
▼いっぽうイギリスは?
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BBC News Japan @bbcnewsjapan 9月7日
シリアやリビアからの難民受け入れを増やすべきかについて、BBC番組委託で4~6日にかけて1000人に電話で世論調査を行ったところ、現状維持か現状以下がいいという回答が計57%に。増やすべきという答えは40%でした(英語記事)
https://twitter.com/BBCNews/status/640951441914503168
――――――――――
「受け入れ増やす」派は案外少ない。フランスも相変わらず国民戦線が元気いっぱい。
――――――――――
〈「低賃金で働く奴隷を募集」と難民受け入れの独を非難
仏極右ルペン党首
フランスの極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首は南部マルセイユで開いた党集会で6日、シリアなどからの難民を多数受け入れるドイツに対して「低賃金で働く奴隷を求めている」などと非難した。ロイター通信が伝えた。
報道によると、ルペン氏は「ドイツは自国の人口が伸び悩んでいると考え、低賃金の労働者を求め、大量の移民受け入れを通じて奴隷の雇用を続けている」と演説した。
2017年のフランス大統領選に関する最近の世論調査では、移民や難民受け入れに強く反対するルペン氏の支持率が社会党のオランド大統領らを上回り、決選投票に進むと予想されている。〉
共同9月8日付
――――――――――
▼なぜドイツがこんなに自信満々なのか。やはり毎日の解説がわかりやすかった。
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〈独国内では受け入れに前向きな意見が多い。独第1公共テレビの世論調査では、59%が難民を受け入れるべきだと回答。内戦を逃れた難民の受け入れは96%が「正しい」とした。
背景には、これまでに大量の難民を受け入れてきた実績と、人手不足を難民受け入れで緩和できるというしたたかな計算がある。ドイツには第二次大戦直後、東欧を追われたドイツ人1000万人以上が逃れて来た。そのため、難民となった経験のある親族を持つ人も多い。ユーゴスラビア紛争中の1992年には43万人の難民申請を受けたこともあり、昨年も20万件の難民申請があった。
独労働社会省によると、好景気のドイツでは60万人の人手が不足。さらに、少子高齢化で今後10年間に労働人口は650万人減少すると予測される。ショイブレ財務相は5日、60億ユーロ(約8000億円)の今年の財政黒字を難民対策に充てる考えを示し、財政的にも対応可能だと表明した。〉
毎日9月7日付
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▼読者のAAさんから、「ML civilsocietyforum」への投稿をこちらにも送っていただいた。
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竹山様
難民問題についてのマガジン有難うございます。大変参考になります。他のMLに表記のような投稿がありそれに対して返信を書いたので元記事(英文)と一緒に転送します。参考になれば幸いです。
#Subject: [civilsociety-forum:8980] Why Boat Refugees Don't Fly! - Factpod
#1
https://www.youtube.com/watch?v=YO0IRsfrPQ4
Why Boat Refugees Don't Fly! - Factpod #16
Gapminder Foundation Gapminder Foundation
This shows you why the refugees crossing the mediterranean by boat, can't just fly to Europe.
現在の難民問題はイラク戦争、アラブの春 の結果だとはいえないでしょうか?
欧米は民主化支援と言う名目で戦争を起こしたり内乱に軍事介入したりしました。しかし各国の民主化勢力は民衆の支持があまりなくむしろフセイン政権やカダフィ政権に弾圧されたイスラム原理主義勢力が支持を集めリビアなどで政権打倒の中心になったしシリアでも状況は同じです。
これをどう評価するかは難民問題を考える上で欠かせないでしょう。またこれは現在の安保法制、集団的自衛権の問題とも無関係ではありません。安倍政権は安保法制を中国や北朝鮮を念頭に置いていて場合によっては中国と戦争をしたいという気持ちがあるようですが現実問題としてそれは無いとおみます。
むしろ危険なのは中近東(もしかしたら中国も)で民主化要求運動が過激化してそれに民主化支援という名目で軍事介入する可能性です。もちろん常識的には民主化支援と集団的自衛権とは無関係ですがこれまでの安倍政権のやり方を見ていればそう言って安心できません。
そのためにもイラク戦争、アラブの春、さらにはウクライナ問題などでの「民主化」支援はなにだったのか総括が必要ではないでしょうか。
――――――――――
▼難民危機は欧州が自ら招いた、という評価がある。否定できない現実だ。
“The migrant crisis in Europe is essentially self-inflicted,” said Lina Khatib, a research associate at the University of London and until recently the head of the Carnegie Middle East Center in Beirut.
INYT9月5日付
▼気になる点の一つは、この「欧州」という言葉に気をつけないといかん。「欧州」の中には西欧も中欧も東欧も南欧もある、ということ。
▼もう一つは、「西側」という時に、日本も入るのかどうか、ということ。当然、入る。
――――――――――
メディア草紙(竹山綴労のメモ) @offnote_
「難民認定、対象拡大の方針 法務省」朝日9月5日付1面トップ▼遅すぎ少なすぎ。やらないよりマシ。日本の難民申請者は2014年は5000人。認定は11人▼法務省は「日本はアフガンとイラクで戦争協力した」事実を知らないのだろう。国境も地続きでないし▼あと数年はこの恥知らず体制が続く。
――――――――――
池田香代子氏 @ikeda_kayoko の「にわかにシリア難民がフォーカスされているけれど、これまでもヨーロッパを目指す難民の奔流はアフガンから、イラクから、アフリカの各地から途切れる事なく続いている。クルド人というグループも。そして地理的にいま日本が最も考えるべきは、ミャンマーなどのロヒンギャではないかなあ」という意見もある。尤もだと思う。
いろいろメモしながらも、なかなか「我が事」として考えられない性(さが)なのだが、少なくとも「他人事」ではないと感じるわけです。この感じを失うと、ぼくの場合、「世界の中の日本」という視点も無くしてしまうだろうナ。
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2015年9月8日火曜日
ブレンドル、ギリシャの「スルー」、えとせとら
【メディア草紙】1972 2015年9月8日(火)
■ブレンドル、ギリシャの「スルー」、えとせとら■
【目次】
▼Blendle(ブレンドル)の英語版
▼ギリシャの「スルー」
▼ドイツ経済が強い理由
▼今後の難民流入ルート
▼Blendle(ブレンドル)の英語版が今年中に始まるそうだ。読売9月3日付▼楽しみ。いわばメディア版iTunes。ぼくも使ったことないが(オランダ語わかんねえ)、たぶん「自分でクーリエジャポンを編集する」ようなものではないだろうか。創業者のアレクザンダー・クロピング氏は28歳。日本語版はできないかナ。
このブレンドルというオランダのベンチャー企業は、朝日のグローブ8月2日付<米ニュースバトル>で知った。これはいい特集でした。「記事のバラ売り」で急成長しているわけだ。現在90の新聞、雑誌の記事が読めるそうで、しかも<価値がないと思った記事は「返品」できる>! じぇじぇ。
実際の返品率は5%。30万人超が登録。日に日に増えているだろう。共同創業者のマーティン・ブランケシュテイン氏は28歳。
▼ぼくは「クーリエ・ジャポン」が画期的な雑誌だと思うのだが、そしてできれば週刊で出してほしいのだが、ブレンドルのような商売が始まれば、いわば私家版の「クーリエ・ジャポン」ができるわけだ。
しかし、そこでは自分自身の「編集」の能力が問われるわけで、というか、すでに今、これまでの人類が経験したことのない圧倒的な情報量に囲まれているわけで、なんかそういう状況に対応した基礎教育、小学校からやったほうがいいんじゃねえかと思うわけです。「衣食住」に並ぶ、「知る」ということについての教育を。
▼引き続き、欧州難民危機。最悪のケースは、殺到する難民にまじって、「イスラーム国」に共鳴する人間が、あえて難民として欧州各国に入り、テロを起こす、という地獄絵図。しかし、日本の新幹線での焼身事件でわかるように、防ぐことは物理的に不可能だ。
だからイスラエルは難民受け入れを拒否した。
――――――――――
〈イスラエルのネタニヤフ首相は6日、欧州各国に押し寄せるシリアなどからの難民への対応に関連し、「我々は不法移民やテロに対し、国境を管理しなければならない」と述べ、受け入れない考えを示した。
ネタニヤフ首相は閣議で「シリアやアフリカからの難民の人道的な悲劇に無関心ではない」としつつ、「非常に小さな国で、人口動態的、地理的な奥行きに欠ける。不法移民やテロリストが殺到することは許されない」と述べた。ネタニヤフ首相はヨルダンとの国境沿いでフェンス建設を始めたことも明らかにした。〉
朝日デジタル9月7日
――――――――――
▼9月6日付、7日付の各紙で、いろいろな報道があった。
〈シリア北部アレッポから約50日かけて陸路ブダペストにたどりついたラマン・アブディさん(19)は行く先々でプリペイドのSIMカードを入手し、スマートフォンを使う。「知らない土地でも、GPS(全地球測位システム)で自分の場所を把握できる。必ずドイツに行く」と話す。〉毎日9月7日付【ブダペスト坂口裕彦、カイロ秋山信一、ローマ福島良典】
9月6日付、7日付ともに、毎日1面のルポはぐいぐいと読ませる内容だった。坂口裕彦記者。
▼各紙とも、やたらオーストリア東部の「ニッケルスドルフ」という地名が目に付くなか、ギリシャのレスボス島からのレポートが読売に載っていた。
――――――――――
〈(ギリシャの)レスボス島には8月、島人口に等しい約9万人が上陸したという。4日夜、記者の目の前でゴムボートが到着した。シリア人男性は、ずぶぬれのまま地面に頭をこすりつけ、上陸を喜んだ。全長6メートルほとの小舟に乳児を含む約50人が乗っていた。〉
読売9月6日付、青木佐知子記者
――――――――――
ちなみに〈レズビアンは、女性同士の恋愛を歌った古代ギリシャの女性詩人サッポーが住んだレスボス島に由来するといいます〉永易至文(ながやす・しぶん)氏の「虹色百話~性的マイノリティーへの招待」。知らなかった。
▼なぜ、ギリシャの島に難民が殺到したか。毎日のルクセンブルク=斎藤義彦記者が背景を説明している。
――――――――――
〈ギリシャ、管理放棄で急増 周辺国に波及
(前略)当初、難民は南のルートを取り無政府状態のリビアから欧州を目指したが、転覆など危険が高すぎた。今夏、比較的安定したトルコから島伝いにギリシャに入るルートを試した難民が、ボートでの渡航距離が短いこともあり、比較的安全に到達できた情報が一気に広がり、難民が激増した。
EUでは最初に難民を受け入れた国が指紋などを登録するのが原則だが、数千人単位で波状的に訪れる難民の登録は小さな島では対処できなかった。
ギリシャで先月まで政権を担った最左派のチプラス前首相は債務危機を巡りEUと激しく対立。難民対策についてEUと協議する雰囲気はなく、難民の管理を放棄し「スルー(通過)」させた。(中略)
新たな対策が打ち出されないまま、難民の「スルー」はギリシャから北接する非EUのマケドニア、さらに北のセルビアに玉突き状に波及し、大勢の難民がハンガリーに行き着いたのが事態の流れだ。〉
毎日9月6日付
――――――――――
▼で、ギリシャがスルーした影響で、玉突きでどえらいことになっているハンガリーは、ギリシャにではなく、ドイツにブチ切れている。〈ハンガリーのオルバン首相は難民が定住を望んでいるのは西欧だとして「これは欧州の問題ではなく、ドイツの問題だ」と反発している。〉朝日9月6日付
実際、難民はEUを目指しているのではなく、ドイツを目指している。ブダペスト駅で難民は「ドイツ! ドイツ!」「メルケル! メルケル!」と叫んだ。そしてEUの中で、西欧とそれ以外とで対立があり、ここでいう西欧は、ほぼイコールドイツを指す。つまり、EUは「ドイツが頂点」の集合体になっているわけだ。
▼ドイツ経済が圧倒的に強い理由を、東京のベルリン=宮本隆彦記者が簡潔にまとめている。
――――――――――
〈ユーロ 通貨統合の明暗 還元なき繁栄 他国は批判
(前略)仮にギリシャが自前の通貨を使っていれば、経済の低迷は通貨安につながり、やがて輸出が回復するかもしれない。しかし欧州単一通貨のユーロではそうした「調節」は働きにくい。
一方のドイツは同じ理屈で「ユーロの恩恵」を享受してきた。輸出が伸びて貿易黒字が増えても、単一通貨ユーロのおかげで極端な通貨高にはならず、輸出の競争力を維持できる。実際、ドイツの貿易黒字は、1999年のユーロ創設後、急激に増加。2014年は過去最高の2170億ユーロ(約29兆3000億円)に達した。
絶好調の輸出に支えられ、税収も増加。2015年の予算は46年ぶりに新規の国債発行をせず「借金ゼロ」で組んだ。ショイブレ財務相は「持続可能な財政政策」と自賛したが、ギリシャからみれば「単一通貨でわれわれの国に輸出してもうけた結果」とも映る。〉
東京9月7日付
――――――――――
▼そのドイツ国内からも、メルケル首相の難民受け入れに批判が出ている。〈DPA通信によると、ミュンヘンの地元当局報道担当者は6日、移民らの規模について「予想を超えた」とした上、「われわれは限界に達した」と語った。ミュンヘンが所在するバイエルン州のゼーホーファー州首相も同日、「ドイツだけで、いつまでも受け入れられない」と強調した。〉産経9月7日
▼難民は減らない。地中海ルートとバルカンルートをおさらいする記事が毎日に載っていた。
――――――――――
〈陸路でドイツを目指す難民や移民が急増した背景には、政情不安のリビアから地中海を密航船でイタリアに向かう「地中海ルート」の危険度が高くなったことがある。イタリアが昨年10月に密航船を洋上で保護する作戦を中断したことで、海難事故が多発。今年1〜4月には約1800人の死者が出たため、バルカン半島経由でドイツに北上する「バルカンルート」を選ぶ難民が増えたのだ。
だが、危険がないわけではない。今年は3日までに102人が死亡した。遺体がトルコ側の海岸に打ち上げられたシリア難民の男児、アラン・クルディちゃん(3)の一家もこのルートでギリシャ・コス島を目指していた。〉
毎日9月7日付
――――――――――
▼今後の流入ルートはどうなるのか。〈例えば「セルビアからクロアチアを経由したり、ルーマニアやウクライナからポーランドに抜けたりするルートが考えられる」。欧州連合(EU)の国境警備を担う欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス)のモンクール報道官は日本経済新聞に明かした。〉9月7日付日経。
ハンガリーの国境フェンスは、悪徳仲介人へのボーナスだ(難民が悪徳仲介人に支払う金額を釣り上げるだけだ)、というコメントがどこかに載っていた。
難民は減らない。だから「根」を絶とうという話になる。
――――――――――
〈難民危機の深刻化を受け、欧州主要国は対シリア政策見直しに乗り出した。
オズボーン英財務相はロイター通信に「アサド政権と過激派組織『イスラム国』(IS)のテロリストという問題の根本に取り組まなければならない」と語り、シリア空爆の可能性を改めて示唆。
仏紙ルモンドによると、オランド政権も、米国など有志国がシリア領内で実施しているIS掃討の空爆作戦への仏軍偵察機の参加を検討しているという。〉
毎日9月7日付
――――――――――
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▼Blendle(ブレンドル)の英語版
▼ギリシャの「スルー」
▼ドイツ経済が強い理由
▼今後の難民流入ルート
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実際の返品率は5%。30万人超が登録。日に日に増えているだろう。共同創業者のマーティン・ブランケシュテイン氏は28歳。
▼ぼくは「クーリエ・ジャポン」が画期的な雑誌だと思うのだが、そしてできれば週刊で出してほしいのだが、ブレンドルのような商売が始まれば、いわば私家版の「クーリエ・ジャポン」ができるわけだ。
しかし、そこでは自分自身の「編集」の能力が問われるわけで、というか、すでに今、これまでの人類が経験したことのない圧倒的な情報量に囲まれているわけで、なんかそういう状況に対応した基礎教育、小学校からやったほうがいいんじゃねえかと思うわけです。「衣食住」に並ぶ、「知る」ということについての教育を。
▼引き続き、欧州難民危機。最悪のケースは、殺到する難民にまじって、「イスラーム国」に共鳴する人間が、あえて難民として欧州各国に入り、テロを起こす、という地獄絵図。しかし、日本の新幹線での焼身事件でわかるように、防ぐことは物理的に不可能だ。
だからイスラエルは難民受け入れを拒否した。
――――――――――
〈イスラエルのネタニヤフ首相は6日、欧州各国に押し寄せるシリアなどからの難民への対応に関連し、「我々は不法移民やテロに対し、国境を管理しなければならない」と述べ、受け入れない考えを示した。
ネタニヤフ首相は閣議で「シリアやアフリカからの難民の人道的な悲劇に無関心ではない」としつつ、「非常に小さな国で、人口動態的、地理的な奥行きに欠ける。不法移民やテロリストが殺到することは許されない」と述べた。ネタニヤフ首相はヨルダンとの国境沿いでフェンス建設を始めたことも明らかにした。〉
朝日デジタル9月7日
――――――――――
▼9月6日付、7日付の各紙で、いろいろな報道があった。
〈シリア北部アレッポから約50日かけて陸路ブダペストにたどりついたラマン・アブディさん(19)は行く先々でプリペイドのSIMカードを入手し、スマートフォンを使う。「知らない土地でも、GPS(全地球測位システム)で自分の場所を把握できる。必ずドイツに行く」と話す。〉毎日9月7日付【ブダペスト坂口裕彦、カイロ秋山信一、ローマ福島良典】
9月6日付、7日付ともに、毎日1面のルポはぐいぐいと読ませる内容だった。坂口裕彦記者。
▼各紙とも、やたらオーストリア東部の「ニッケルスドルフ」という地名が目に付くなか、ギリシャのレスボス島からのレポートが読売に載っていた。
――――――――――
〈(ギリシャの)レスボス島には8月、島人口に等しい約9万人が上陸したという。4日夜、記者の目の前でゴムボートが到着した。シリア人男性は、ずぶぬれのまま地面に頭をこすりつけ、上陸を喜んだ。全長6メートルほとの小舟に乳児を含む約50人が乗っていた。〉
読売9月6日付、青木佐知子記者
――――――――――
ちなみに〈レズビアンは、女性同士の恋愛を歌った古代ギリシャの女性詩人サッポーが住んだレスボス島に由来するといいます〉永易至文(ながやす・しぶん)氏の「虹色百話~性的マイノリティーへの招待」。知らなかった。
▼なぜ、ギリシャの島に難民が殺到したか。毎日のルクセンブルク=斎藤義彦記者が背景を説明している。
――――――――――
〈ギリシャ、管理放棄で急増 周辺国に波及
(前略)当初、難民は南のルートを取り無政府状態のリビアから欧州を目指したが、転覆など危険が高すぎた。今夏、比較的安定したトルコから島伝いにギリシャに入るルートを試した難民が、ボートでの渡航距離が短いこともあり、比較的安全に到達できた情報が一気に広がり、難民が激増した。
EUでは最初に難民を受け入れた国が指紋などを登録するのが原則だが、数千人単位で波状的に訪れる難民の登録は小さな島では対処できなかった。
ギリシャで先月まで政権を担った最左派のチプラス前首相は債務危機を巡りEUと激しく対立。難民対策についてEUと協議する雰囲気はなく、難民の管理を放棄し「スルー(通過)」させた。(中略)
新たな対策が打ち出されないまま、難民の「スルー」はギリシャから北接する非EUのマケドニア、さらに北のセルビアに玉突き状に波及し、大勢の難民がハンガリーに行き着いたのが事態の流れだ。〉
毎日9月6日付
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▼で、ギリシャがスルーした影響で、玉突きでどえらいことになっているハンガリーは、ギリシャにではなく、ドイツにブチ切れている。〈ハンガリーのオルバン首相は難民が定住を望んでいるのは西欧だとして「これは欧州の問題ではなく、ドイツの問題だ」と反発している。〉朝日9月6日付
実際、難民はEUを目指しているのではなく、ドイツを目指している。ブダペスト駅で難民は「ドイツ! ドイツ!」「メルケル! メルケル!」と叫んだ。そしてEUの中で、西欧とそれ以外とで対立があり、ここでいう西欧は、ほぼイコールドイツを指す。つまり、EUは「ドイツが頂点」の集合体になっているわけだ。
▼ドイツ経済が圧倒的に強い理由を、東京のベルリン=宮本隆彦記者が簡潔にまとめている。
――――――――――
〈ユーロ 通貨統合の明暗 還元なき繁栄 他国は批判
(前略)仮にギリシャが自前の通貨を使っていれば、経済の低迷は通貨安につながり、やがて輸出が回復するかもしれない。しかし欧州単一通貨のユーロではそうした「調節」は働きにくい。
一方のドイツは同じ理屈で「ユーロの恩恵」を享受してきた。輸出が伸びて貿易黒字が増えても、単一通貨ユーロのおかげで極端な通貨高にはならず、輸出の競争力を維持できる。実際、ドイツの貿易黒字は、1999年のユーロ創設後、急激に増加。2014年は過去最高の2170億ユーロ(約29兆3000億円)に達した。
絶好調の輸出に支えられ、税収も増加。2015年の予算は46年ぶりに新規の国債発行をせず「借金ゼロ」で組んだ。ショイブレ財務相は「持続可能な財政政策」と自賛したが、ギリシャからみれば「単一通貨でわれわれの国に輸出してもうけた結果」とも映る。〉
東京9月7日付
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だが、危険がないわけではない。今年は3日までに102人が死亡した。遺体がトルコ側の海岸に打ち上げられたシリア難民の男児、アラン・クルディちゃん(3)の一家もこのルートでギリシャ・コス島を目指していた。〉
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▼今後の流入ルートはどうなるのか。〈例えば「セルビアからクロアチアを経由したり、ルーマニアやウクライナからポーランドに抜けたりするルートが考えられる」。欧州連合(EU)の国境警備を担う欧州対外国境管理協力機関(フロンテックス)のモンクール報道官は日本経済新聞に明かした。〉9月7日付日経。
ハンガリーの国境フェンスは、悪徳仲介人へのボーナスだ(難民が悪徳仲介人に支払う金額を釣り上げるだけだ)、というコメントがどこかに載っていた。
難民は減らない。だから「根」を絶とうという話になる。
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オズボーン英財務相はロイター通信に「アサド政権と過激派組織『イスラム国』(IS)のテロリストという問題の根本に取り組まなければならない」と語り、シリア空爆の可能性を改めて示唆。
仏紙ルモンドによると、オランド政権も、米国など有志国がシリア領内で実施しているIS掃討の空爆作戦への仏軍偵察機の参加を検討しているという。〉
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2015年9月7日月曜日
欧州難民危機 過去と現在を知る
【メディア草紙】1971 2015年9月7日(月)
■欧州難民危機 過去と現在を知る■
【目次】
▼過去
▼現在
気になるので、欧州難民危機のことばかり取り上げている。
▼「シリア人を 助けてくれる 世界はどこにあるのか」ブダペスト駅で。
https://twitter.com/anemonanyc/status/638588751757844480
▼過去
▼BBCが選んだ、欧州難民危機の写真10枚。
BBC News - 10 moving photos of Europe's migrant crisis
http://www.bbc.com/news/magazine-34137358
とくに4番目の写真を観ていただきたい。とても美しく、衝撃的な写真だ。アフリカ移民たちが、ソマリアの闇市で買ったSIMカードを使い、ジブチの海岸沿いで、とても微弱な電波をキャッチしようとしている。観たことのある人も多いと思う。なぜなら、ジョン・スタンマイヤーというアメリカのカメラマンが、今から2年も前の【2013年】に撮った写真だからデス(2014年の世界報道写真大賞)。
http://www.worldpressphoto.org/collection/photo/2014
4. Migrants passing through Djibouti, on the Gulf of Aden, sometimes save money by buying a SIM card from neighbouring Somalia on the black market. Photographer John Stanmeyer met a group of them standing on the coast waiting to catch a faint signal. "It communicated the universality of all of us," he says. "We really are standing at a crossroads of our collective humanity. Where are we going? What does it mean to be human?" The photograph won a World Press Photo award in 2014.
▼国連は欧州に移民20万人を受け入れるよう求めた。20万人とはべらぼうな数じゃねえかと思うが、9月3日にはユニセフが、【中東と北アフリカ9カ国で1370万人のこどもたちが学校教育を受けられない状態になっている】と報告している。1370人ではなく、1370万人である。具体的にはシリア、イラク、レバノン、ヨルダン、トルコ、イエメン、リビア、スーダン、パレスチナ。
http://www.unicef.or.jp/news/2015/0261.html
この報告には、2011年以降のシリアの戦のせいで、シリア難民が激増し、彼らを受け入れたヨルダン、レバノン、トルコで、すでに70万人以上のこどもが学校に通えない状況になっている、ともあった。要するに、「一つの世代」の教育が、まるごと崩壊している。
以下、国別のデータ。
【シリア】
・国内の4分の1の学校が使用不可能
・昨年だけで60校が攻撃を受けた
・これまでに5万2,000人の教師と523人のカウンセラーが職を離れた
・シリアには5年間教育を受けられていない子どもたちもいる
・少なくとも20%の子どもたちが、試験を受けるために紛争の最前線を通過しなければならなかった
【イエメン】
・4分の1の学校が使用不可能
・約60万人の子どもたちが試験を受けることができていない
・ここ数カ月の間に150万人以上の人々が自宅から避難しなければならなかった
【イラク】
・2014年はイラクにとって、2008年以来最も厳しい年であった
・700人近くの子どもたちが命を落とし、さらに500人が負傷した
・少なくとも95万人の学齢期の子どもたちが紛争の影響を受けた
・昨年、約1,200の学校が、家を失った家族のための共同避難所として使用された
【リビア】
・昨年だけで43万4,000人以上の人々が家を失った
・ベンガジ(リビア東部)では就学率が半減し、3分の1の数の学校しか機能していない
【スーダン】
・推定約290万人の人々が紛争によって家を失った
・紛争に加えて、不十分なインフラ設備や安全性の欠如、貧困家庭にとっては高すぎる生活費が子どもの学校へのアクセスに影響を与えている
▼こどもの状況を知れば、あとは推して知るべし。これだけの惨状がありながら、アランちゃんの写真一枚がSNSで爆発的に拡散する前と後とで、イギリスをはじめ欧州各国の対処は一変した。
こういう胸のつぶれるような情報を挙げていけば、しかも10年、20年の単位でさかのぼれば、キリがない。要するに、すでに、何年も前から、想像を絶する広範囲にわたって、しかも根深く、移民、難民の危機は広がり続けている。
オーストリアの冷凍トラックも、アランちゃん家族の悲劇も、ブダペスト駅も、氷山の一角でしかない。ぼくたちは、欧州難民危機の報道を通して、地理的、文化的なつながりによって、ニュースーーある一人の人間の死ーーの意味が一変する様(さま)を、目の当たりにしている。
▼現在
▼朝7時のブダペスト駅を歩く。この4分ほどの、「朝食の時間だ」というコメントで終わる、淡々とした、しかし強烈な動画一つでも、ここ数年で「メディアが激変している」ことが皮膚感覚でわかる。
Migrant crisis: Walking through Budapest's train station camp
4 September 2015 Last updated at 10:24 BST
http://www.bbc.com/news/world-europe-34149753
「編集」という文化について考える必要がある。「いい編集」が、切実に求められている。
でも、「いい編集」ってなんだろう?
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■欧州難民危機 過去と現在を知る■
【目次】
▼過去
▼現在
気になるので、欧州難民危機のことばかり取り上げている。
▼「シリア人を 助けてくれる 世界はどこにあるのか」ブダペスト駅で。
https://twitter.com/anemonanyc/status/638588751757844480
▼過去
▼BBCが選んだ、欧州難民危機の写真10枚。
BBC News - 10 moving photos of Europe's migrant crisis
http://www.bbc.com/news/magazine-34137358
とくに4番目の写真を観ていただきたい。とても美しく、衝撃的な写真だ。アフリカ移民たちが、ソマリアの闇市で買ったSIMカードを使い、ジブチの海岸沿いで、とても微弱な電波をキャッチしようとしている。観たことのある人も多いと思う。なぜなら、ジョン・スタンマイヤーというアメリカのカメラマンが、今から2年も前の【2013年】に撮った写真だからデス(2014年の世界報道写真大賞)。
http://www.worldpressphoto.org/collection/photo/2014
4. Migrants passing through Djibouti, on the Gulf of Aden, sometimes save money by buying a SIM card from neighbouring Somalia on the black market. Photographer John Stanmeyer met a group of them standing on the coast waiting to catch a faint signal. "It communicated the universality of all of us," he says. "We really are standing at a crossroads of our collective humanity. Where are we going? What does it mean to be human?" The photograph won a World Press Photo award in 2014.
▼国連は欧州に移民20万人を受け入れるよう求めた。20万人とはべらぼうな数じゃねえかと思うが、9月3日にはユニセフが、【中東と北アフリカ9カ国で1370万人のこどもたちが学校教育を受けられない状態になっている】と報告している。1370人ではなく、1370万人である。具体的にはシリア、イラク、レバノン、ヨルダン、トルコ、イエメン、リビア、スーダン、パレスチナ。
http://www.unicef.or.jp/news/2015/0261.html
この報告には、2011年以降のシリアの戦のせいで、シリア難民が激増し、彼らを受け入れたヨルダン、レバノン、トルコで、すでに70万人以上のこどもが学校に通えない状況になっている、ともあった。要するに、「一つの世代」の教育が、まるごと崩壊している。
以下、国別のデータ。
【シリア】
・国内の4分の1の学校が使用不可能
・昨年だけで60校が攻撃を受けた
・これまでに5万2,000人の教師と523人のカウンセラーが職を離れた
・シリアには5年間教育を受けられていない子どもたちもいる
・少なくとも20%の子どもたちが、試験を受けるために紛争の最前線を通過しなければならなかった
【イエメン】
・4分の1の学校が使用不可能
・約60万人の子どもたちが試験を受けることができていない
・ここ数カ月の間に150万人以上の人々が自宅から避難しなければならなかった
【イラク】
・2014年はイラクにとって、2008年以来最も厳しい年であった
・700人近くの子どもたちが命を落とし、さらに500人が負傷した
・少なくとも95万人の学齢期の子どもたちが紛争の影響を受けた
・昨年、約1,200の学校が、家を失った家族のための共同避難所として使用された
【リビア】
・昨年だけで43万4,000人以上の人々が家を失った
・ベンガジ(リビア東部)では就学率が半減し、3分の1の数の学校しか機能していない
【スーダン】
・推定約290万人の人々が紛争によって家を失った
・紛争に加えて、不十分なインフラ設備や安全性の欠如、貧困家庭にとっては高すぎる生活費が子どもの学校へのアクセスに影響を与えている
▼こどもの状況を知れば、あとは推して知るべし。これだけの惨状がありながら、アランちゃんの写真一枚がSNSで爆発的に拡散する前と後とで、イギリスをはじめ欧州各国の対処は一変した。
こういう胸のつぶれるような情報を挙げていけば、しかも10年、20年の単位でさかのぼれば、キリがない。要するに、すでに、何年も前から、想像を絶する広範囲にわたって、しかも根深く、移民、難民の危機は広がり続けている。
オーストリアの冷凍トラックも、アランちゃん家族の悲劇も、ブダペスト駅も、氷山の一角でしかない。ぼくたちは、欧州難民危機の報道を通して、地理的、文化的なつながりによって、ニュースーーある一人の人間の死ーーの意味が一変する様(さま)を、目の当たりにしている。
▼現在
▼朝7時のブダペスト駅を歩く。この4分ほどの、「朝食の時間だ」というコメントで終わる、淡々とした、しかし強烈な動画一つでも、ここ数年で「メディアが激変している」ことが皮膚感覚でわかる。
Migrant crisis: Walking through Budapest's train station camp
4 September 2015 Last updated at 10:24 BST
http://www.bbc.com/news/world-europe-34149753
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2015年9月6日日曜日
欧州難民危機 三つのニュース トッド『移民の運命』
【メディア草紙 1970】2015年9月6日(日)
■欧州難民危機 三つのニュース トッド『移民の運命』■
【目次】
▼三つの象徴的なニュース
▼動画紹介
▼トッド『移民の運命』の視点
▼今回の欧州難民危機を象徴するニュースは今のところ三つある。
一、オーストリアの冷凍トラック。
二、トルコ海岸に漂着したアランちゃんの遺体の写真。
三、ハンガリーのブダペスト駅。
一枚の写真の威力はすさまじい。アランちゃんの遺体写真は、ヨーロッパを文字通り揺さぶっている。
▼一つめのニュースは、オーストリアで、ブルガリア人が持ってる、ハンガリーナンバーの冷凍トラックが放置されていた、というものだ。そのトラックの中に子ども含む71人の遺体があった。窒息死である。シリア等からの難民らしい(朝日8月29日付)。
彼らは、密航船の「地中海ルート」よりも安全と思われている「バルカンルート」でドイツを目指していた。
▼これと似たニュースがあった。TBSから。
――――――――――
〈先週、トラックから70人あまりの難民の遺体が発見されたオーストリアで、今度はワンボックスカーに詰め込まれた26人の難民が見つかりました。この小さな車内に26人が乗っていました。
ロイター通信などによりますと、29日早朝、ドイツとの国境に近いオーストリア北西部で、パトロール中の警察官が不審なスペインナンバーのワンボックスカーを見つけました。停止させて調べると、シリアやアフガニスタンなどからの難民26人が詰め込まれていました。ほとんどが重度の脱水症状で、病院に運ばれました。
車はドイツを目指していたということで、警察は運転手のルーマニア人の男(29)を逮捕しました。〉
――――――――――
どこの新聞でもいいから、欧州の難民危機を見開き特集してほしい。
▼前号で紹介した3歳の男の子の写真について、毎日に要約記事が載っていた。「イスラム国」に攻撃されているシリアのアインアルアラブ(クルド名コバニ)出身だったそうだ。9月4日前後になると、新聞に続き、日本の各テレビ局もようやく取り上げ始めた。
――――――――――
〈シリア難民:「アランちゃん」映像、波紋 男児の遺体漂着 欧州首脳も反応
毎日新聞 2015年09月04日 東京夕刊
【ローマ福島良典】トルコからギリシャに向け地中海を渡る途中に死亡し、遺体が海岸に漂着したシリア難民男児の映像が中東や欧州で波紋を広げている。シリアのメディアによると、悲嘆にくれる男児の父親は「息子はシリアの苦しみのシンボルだ」と語り、同情を呼んでいる。
男児はアラン・クルディちゃん(3)。2日未明、両親と兄のガリブちゃん(5)と共に、一家でギリシャ東部コス島に向かう密航ボートに乗ったが、約30分後に高波でボートが転覆。トルコ西部ボドルム近くの海岸に遺体が打ち上げられた。
アランちゃん、ガリブちゃん、母親のレハンさん(35)の計3人が死亡した。
シリアのラジオ「ロザナFM」(電子版)や英BBC放送(電子版)によると、トルコ沿岸警備隊に救助された父親のアブドラさん(40)は「妻子を助けようとしたが、駄目だった」「トルコ人の密航手引き業者は高波が来ると、自分だけ海に飛び込んで逃げた」と述べた。手引き業者に支払った密航料金は4000ユーロ(約53万円)だったという。(中略)
カナダ紙ナショナル・ポスト(電子版)によると、一家は過激派組織「イスラム国」(IS)が攻勢をかけているシリアのアインアルアラブ(クルド名コバニ)出身で、当初、カナダへの移住を希望していた。カナダ・バンクーバー在住のアブドラさんの姉妹がトルコ滞在費を出し、身元引受人になろうとしていたが、準備が整わなかったという。〉
――――――――――
▼カナダ政府に批判が殺到しているという。
▼日本語で、難民問題を一番重厚に特集できるマスメディアはどこだろう。当面は「クーリエジャポン」方式で、自分であちこちからクリッピングするのが価値的だナ。ま、どのテーマでも、そうなんだが。
しかし、能動的にインターネットから良い情報を探し出すのはとても時間がかかる。インターネットの世界では「編集」editの価値がこれからもどんどん上がるだろう。
▼動画でも、今はどんどん日本語翻訳付きで、良質の情報を見つけることができる。ぼくがメルマガを始めた2001年には、とても想像のつかない状況だ。ここ数年、離れている間に、ずいぶんと様変わりした。ここ数日、ちょっとした浦島太郎感覚を味わっている。とりあえず、以下の二つは勉強になった。
【BBC】90秒解説 移民が押し寄せるEU、受け入れの仕組みは
https://www.youtube.com/watch?v=Jf1-SmALyzY
VICE Japanの「憎悪する欧州 ドイツ極右団体の躍進は急増する移民への怖れなのか」
原題:HATE IN EUROPE: GERMANY'S ANTI-ISLAMIC PROTESTS (2015)
https://www.youtube.com/watch?v=YZtMRuLjrao
厄介なPEGIDAのデモを特集している。
他にもいいニュースサイトがあったら教えてください。
▼今後の流れがどうなるのか、人類学者エマニュエル・トッド氏の『移民の運命』(藤原書店)が参考になりそうだ。今号では二つの観点を紹介しておきたい。
まずトッド氏は「日本の読者へ」と題した前書きで、こう書いている。
――――――――――
外部から到来した人間の流入は、ヨーロッパ各国に己れの何者かを定義し直すよう迫る。その定義がどの国でも同じものではないことは、すでに明白である。
これは数十年、あるいは数世代にわたって続く、ゆっくりと進行する現象である。しかし移民流入は、国民という集団の定義という枢要の点に関して、フランス人、イングランド人、ドイツ人に共通する感受性が存在しないことを暴露するものである以上、長期的に見てヨーロッパ統合を解体する方向に働く力の一つであることは、確実であると言わざるを得ない。
1999年3月 パリ
5頁
――――――――――
このトッド氏の指摘は2015年の予言のように読める。
▼『移民の運命』は家族論だ。トッド氏は「家族」の類型を示し、じつにさまざまな問題に適用していく。この家族論からソ連崩壊を予測した事実は有名だ。
彼の家族論が異様な鋭さを持っている。「近代」を見事に相対化している。〈人類学は、各脱工業化大国の中には、それぞれ特殊な無意識の原型が存在しており、それがそれぞれの国の外国人についての見方を決定し、ひいては外国人のたどる運命を決定するということを浮き彫りにするのである〉(33頁)
近代以降のどんな合理主義も、「無意識の原型」=見えざる「家族」の傾向を変えるだけの影響力は、持つに至らなかったという。『移民の運命』の快刀乱麻ぶりに接すると、納得させられる。
▼二つめの観点。トッド氏はドイツの家族の「型」の特徴についてこう指摘する。
――――――――――
兄弟間の差異化は無意識に対して、人間は互いに異なるものであり、分離されていなければならないと、告げる。
しかし父親の権威は無意識に対して、人間は何らかの中心的権力に従わねばならず、それゆえひとつにまとまっていなければならないという観念を押しつける。
この根本的な矛盾が生み出す緊張は時として、絶対核家族的な人類学的型から由来するアングロ・サクソン社会に特有の隔離の差異主義とはまったく異なる、排除ないし絶滅の差異主義の出現を招来することになるのである。
192頁
――――――――――
もはやドイツが「絶滅の差異主義」――ナチズム――を繰り返すことはないだろう。そして、自国の差異主義を押しつけることもないだろう。しかし、EUで経済的に最も強いドイツは、政治的にも最も強く、その国ぶりが、よくもわるくもEU全体に影響する。ドイツが何を提案しても、それがEU内の南北格差を縮めたり、EU統合を強めることにはなりそうもない。
▼毎日9月5日付に、独仏伊の外務大臣がハンガリーの国境封鎖を厳しく批判した、というニュースがあった。独仏伊は、EU加盟国に難民受け入れの義務化を提案し、東欧、南欧は難色を示しているという。貧しい国は不平等を感じているから、当然の、いつもの反応だ。
まず動くのは「経済」であり、次に「政治」であり、最後に「文化」がものを言う。トッド氏が摘出した各国の「差異主義」の違いや、「普遍主義」との相克は、これからの欧州難民危機を考えるうえで、そして日本の移民行政を考えるうえで、とても参考になると思う。
シリアや北アフリカなどからの難民、移民が減る兆しはない。今回の欧州難民危機は、「EUの終わりの始まり」になるかもしれない。
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■欧州難民危機 三つのニュース トッド『移民の運命』■
【目次】
▼三つの象徴的なニュース
▼動画紹介
▼トッド『移民の運命』の視点
▼今回の欧州難民危機を象徴するニュースは今のところ三つある。
一、オーストリアの冷凍トラック。
二、トルコ海岸に漂着したアランちゃんの遺体の写真。
三、ハンガリーのブダペスト駅。
一枚の写真の威力はすさまじい。アランちゃんの遺体写真は、ヨーロッパを文字通り揺さぶっている。
▼一つめのニュースは、オーストリアで、ブルガリア人が持ってる、ハンガリーナンバーの冷凍トラックが放置されていた、というものだ。そのトラックの中に子ども含む71人の遺体があった。窒息死である。シリア等からの難民らしい(朝日8月29日付)。
彼らは、密航船の「地中海ルート」よりも安全と思われている「バルカンルート」でドイツを目指していた。
▼これと似たニュースがあった。TBSから。
――――――――――
〈先週、トラックから70人あまりの難民の遺体が発見されたオーストリアで、今度はワンボックスカーに詰め込まれた26人の難民が見つかりました。この小さな車内に26人が乗っていました。
ロイター通信などによりますと、29日早朝、ドイツとの国境に近いオーストリア北西部で、パトロール中の警察官が不審なスペインナンバーのワンボックスカーを見つけました。停止させて調べると、シリアやアフガニスタンなどからの難民26人が詰め込まれていました。ほとんどが重度の脱水症状で、病院に運ばれました。
車はドイツを目指していたということで、警察は運転手のルーマニア人の男(29)を逮捕しました。〉
――――――――――
どこの新聞でもいいから、欧州の難民危機を見開き特集してほしい。
▼前号で紹介した3歳の男の子の写真について、毎日に要約記事が載っていた。「イスラム国」に攻撃されているシリアのアインアルアラブ(クルド名コバニ)出身だったそうだ。9月4日前後になると、新聞に続き、日本の各テレビ局もようやく取り上げ始めた。
――――――――――
〈シリア難民:「アランちゃん」映像、波紋 男児の遺体漂着 欧州首脳も反応
毎日新聞 2015年09月04日 東京夕刊
【ローマ福島良典】トルコからギリシャに向け地中海を渡る途中に死亡し、遺体が海岸に漂着したシリア難民男児の映像が中東や欧州で波紋を広げている。シリアのメディアによると、悲嘆にくれる男児の父親は「息子はシリアの苦しみのシンボルだ」と語り、同情を呼んでいる。
男児はアラン・クルディちゃん(3)。2日未明、両親と兄のガリブちゃん(5)と共に、一家でギリシャ東部コス島に向かう密航ボートに乗ったが、約30分後に高波でボートが転覆。トルコ西部ボドルム近くの海岸に遺体が打ち上げられた。
アランちゃん、ガリブちゃん、母親のレハンさん(35)の計3人が死亡した。
シリアのラジオ「ロザナFM」(電子版)や英BBC放送(電子版)によると、トルコ沿岸警備隊に救助された父親のアブドラさん(40)は「妻子を助けようとしたが、駄目だった」「トルコ人の密航手引き業者は高波が来ると、自分だけ海に飛び込んで逃げた」と述べた。手引き業者に支払った密航料金は4000ユーロ(約53万円)だったという。(中略)
カナダ紙ナショナル・ポスト(電子版)によると、一家は過激派組織「イスラム国」(IS)が攻勢をかけているシリアのアインアルアラブ(クルド名コバニ)出身で、当初、カナダへの移住を希望していた。カナダ・バンクーバー在住のアブドラさんの姉妹がトルコ滞在費を出し、身元引受人になろうとしていたが、準備が整わなかったという。〉
――――――――――
▼カナダ政府に批判が殺到しているという。
▼日本語で、難民問題を一番重厚に特集できるマスメディアはどこだろう。当面は「クーリエジャポン」方式で、自分であちこちからクリッピングするのが価値的だナ。ま、どのテーマでも、そうなんだが。
しかし、能動的にインターネットから良い情報を探し出すのはとても時間がかかる。インターネットの世界では「編集」editの価値がこれからもどんどん上がるだろう。
▼動画でも、今はどんどん日本語翻訳付きで、良質の情報を見つけることができる。ぼくがメルマガを始めた2001年には、とても想像のつかない状況だ。ここ数年、離れている間に、ずいぶんと様変わりした。ここ数日、ちょっとした浦島太郎感覚を味わっている。とりあえず、以下の二つは勉強になった。
【BBC】90秒解説 移民が押し寄せるEU、受け入れの仕組みは
https://www.youtube.com/watch?v=Jf1-SmALyzY
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▼今後の流れがどうなるのか、人類学者エマニュエル・トッド氏の『移民の運命』(藤原書店)が参考になりそうだ。今号では二つの観点を紹介しておきたい。
まずトッド氏は「日本の読者へ」と題した前書きで、こう書いている。
――――――――――
外部から到来した人間の流入は、ヨーロッパ各国に己れの何者かを定義し直すよう迫る。その定義がどの国でも同じものではないことは、すでに明白である。
これは数十年、あるいは数世代にわたって続く、ゆっくりと進行する現象である。しかし移民流入は、国民という集団の定義という枢要の点に関して、フランス人、イングランド人、ドイツ人に共通する感受性が存在しないことを暴露するものである以上、長期的に見てヨーロッパ統合を解体する方向に働く力の一つであることは、確実であると言わざるを得ない。
1999年3月 パリ
5頁
――――――――――
このトッド氏の指摘は2015年の予言のように読める。
▼『移民の運命』は家族論だ。トッド氏は「家族」の類型を示し、じつにさまざまな問題に適用していく。この家族論からソ連崩壊を予測した事実は有名だ。
彼の家族論が異様な鋭さを持っている。「近代」を見事に相対化している。〈人類学は、各脱工業化大国の中には、それぞれ特殊な無意識の原型が存在しており、それがそれぞれの国の外国人についての見方を決定し、ひいては外国人のたどる運命を決定するということを浮き彫りにするのである〉(33頁)
近代以降のどんな合理主義も、「無意識の原型」=見えざる「家族」の傾向を変えるだけの影響力は、持つに至らなかったという。『移民の運命』の快刀乱麻ぶりに接すると、納得させられる。
▼二つめの観点。トッド氏はドイツの家族の「型」の特徴についてこう指摘する。
――――――――――
兄弟間の差異化は無意識に対して、人間は互いに異なるものであり、分離されていなければならないと、告げる。
しかし父親の権威は無意識に対して、人間は何らかの中心的権力に従わねばならず、それゆえひとつにまとまっていなければならないという観念を押しつける。
この根本的な矛盾が生み出す緊張は時として、絶対核家族的な人類学的型から由来するアングロ・サクソン社会に特有の隔離の差異主義とはまったく異なる、排除ないし絶滅の差異主義の出現を招来することになるのである。
192頁
――――――――――
もはやドイツが「絶滅の差異主義」――ナチズム――を繰り返すことはないだろう。そして、自国の差異主義を押しつけることもないだろう。しかし、EUで経済的に最も強いドイツは、政治的にも最も強く、その国ぶりが、よくもわるくもEU全体に影響する。ドイツが何を提案しても、それがEU内の南北格差を縮めたり、EU統合を強めることにはなりそうもない。
▼毎日9月5日付に、独仏伊の外務大臣がハンガリーの国境封鎖を厳しく批判した、というニュースがあった。独仏伊は、EU加盟国に難民受け入れの義務化を提案し、東欧、南欧は難色を示しているという。貧しい国は不平等を感じているから、当然の、いつもの反応だ。
まず動くのは「経済」であり、次に「政治」であり、最後に「文化」がものを言う。トッド氏が摘出した各国の「差異主義」の違いや、「普遍主義」との相克は、これからの欧州難民危機を考えるうえで、そして日本の移民行政を考えるうえで、とても参考になると思う。
シリアや北アフリカなどからの難民、移民が減る兆しはない。今回の欧州難民危機は、「EUの終わりの始まり」になるかもしれない。
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2015年9月4日金曜日
欧州難民危機、リゾート地の遺体、ブダペスト駅
【メディア草紙 1969】2015年9月4日(金)
■欧州難民危機、リゾート地の遺体、ブダペスト駅■
freespeech21@yahoo.co.jp
http://offnote21.blogspot.jp/
▼ブログを編集していると、「統計」というページがあり、国別閲覧者ってのが示されるのだが、9月3日は、
日本78
アメリカ合衆国25
インドネシア8
スウェーデン5
いやいや、インドネシアとスウェーデンにはいないでしょう。サーバを経由して閲覧しているってことなのかナ。不可思議。
▼欧州難民危機について理解を深められる、いい論説、いいコメンテーター、いいサイトがあったらぜひ教えてください。
一例として、BBCの図解。
http://www.bbc.com/news/world-europe-34131911
下記はニューヨーク・タイムズ。中東、アフガンから、バルカン半島、ハンガリーを経由してドイツなどへ向かう難民の旅の記録。ANEMONA HARTOCOLLIS記者。写真と見出しが印象的だ。
Traveling in Europe’s River of Migrants
http://www.nytimes.com/interactive/projects/cp/reporters-notebook/migrants
「ハンガリーで止められても、南隣のクロアチアから北上するよ」と答える難民のコメントも、どこかで読んだ。
▼いまヨーロッパで最も衝撃的なニュースは、前号で紹介した、死んだ男の子の写真だ。〈トルコのドアン通信が撮影、配信した。同国のメディアによると、エーゲ海に面するリゾート地、ボドルム近郊の海岸で2日朝、男の子を含むシリアからの難民とみられる12人の遺体が見つかった〉(朝日デジタル2015年9月3日)
▼Mariko Oi 大井真理子 @MarikoOiBBC 9月2日
大井真理子さんがリツイートしました Humanitarian Relief
This pic breaks my heart #SyrianRefugee crisis シリア難民の子供の溺死体がトルコ沖に流れ着いた写真。シェアすることへの批判もあるけど、こういう現実を伝えるのが報道の意義だと思うから。
https://twitter.com/ihhen/status/639008503378546689
〈欧州難民危機 トルコに男の子の遺体漂着、画像が波紋
国際移住機関(IOM)によると、地中海を渡って欧州を目指す途中で命を落とした人は、今年だけで2600人を超えた。溺死や圧死のほか、船のエンジンの排煙で窒息死したりする犠牲者が後を絶たない。
欧州に到着した移民や難民も今年だけで35万人あまりに上るが、各国の対応には大きな開きがある。男の子の写真を見た国連のグテレス難民高等弁務官は2日、「とてつもない挫折感を感じる」と述べ、「この状況に対する一貫した対応が必要だ。欧州が一丸とならない限り、そうした対応はできない」と指摘した〉
CNN、2015.09.03
▼もう一つ、いま「欧州難民危機の最前線」といわれているハンガリーのブダペスト駅だ。
▼〈首都ブダペストの駅が難民キャンプに、ハンガリー
2015年08月30日 13:14【8月30日 AFP】難民危機が直撃している欧州のハンガリーで、首都ブダペスト(Budapest)の鉄道駅が難民キャンプのような状態になりつつある。戦争や苦難を逃れてきた難民の家族たちが布などを敷いた上に座り込んでおり、乳児も含まれている。
ブダペスト東駅(Budapest Keleti Station)でAFPの取材に応じた通勤客のチャバ・ハバシさんは、駅に座り込んだ中東や中央アジアからの男女・子ども数百人の間をかき分けて移動しながら「現実とは思えない」と語った。
階段の吹き抜けでは洗濯した衣類が乾かすためにつるされ、乳幼児の泣き声はやむことがない。ソーシャルメディアを通じて結成されたボランティアらが、移民たちに水や医療を提供している。
時折、ピエロの格好をしたボランティアが、子どもたちにチョークを与えて地面に絵を描かせるなどして楽しませ、励ましている。地元の女性(60)は「苦しんでいる赤ちゃんを見るのはつらい」と語り、おむつやおもちゃをボランティアの人々に寄付した。
警察当局によると、今年これまでにハンガリーに入国して拘束された移民は14万1500人に達している。その大半はセルビア経由でハンガリー入りを試みている〉
▼〈難民ら数千人、駅に殺到 ブダペスト、大混乱に
2015年09月03日18時21分 (更新 09月03日 18時27分)
【ブダペスト共同】ハンガリーの首都ブダペストの東駅で難民や移民を排除していた警察が3日、封鎖を解き、数千人の難民らが駅ホームなどに殺到した。難民らは、たまたま駅に到着したドイツ国旗の描かれた列車をドイツ行きと間違えて乗り込むなど、大混乱となった。
大半の難民らは生活水準の高いドイツを目指しているが、ハンガリーの鉄道当局者は3日、同国政府が東駅からドイツやオーストリアなど西欧諸国に向かう国際列車の運行を停止したと明らかにした。
一方、ロイター通信によると、ブルガリア内務省は3日、首都ソフィアで、難民申請せずに不法に入国した125人を拘束したと明らかにした〉
▼
▼〈難民:ギリシャに2万3000人…1週間で
毎日新聞 2015年09月02日 12時18分(最終更新 09月02日 12時52分)
【ブリュッセル斎藤義彦】欧州に中東やアフリカからの難民が押し寄せている問題で、欧州連合(EU)は1日、先週だけでギリシャに約2万3000人の難民が到着したと発表した。EUが把握できていない密航者も多く、欧州への難民の波は、なお続くとみられる。一方、ハンガリーに滞留していた難民のうち、先月31日と1日の両日で4200人がドイツに到着し、収容施設などに入った。
欧州対外国境管理協力機関(FRONTEX)が暫定値として発表した。このほか、地中海上でリビアなどアフリカからの難民約5400人が救助され、55人が遺体で発見された。セルビアとハンガリーの国境には9400人が滞留している〉
▼前号で紹介したINYTの欧州難民問題の記事は、全文が下記から読める。
A 21st-Century Migrant’s Essentials: Food, Shelter, Smartphone
By MATTHEW BRUNWASSER
AUG. 25, 2015
http://www.nytimes.com/2015/08/26/world/europe/a-21st-century-migrants-checklist-water-shelter-smartphone.html?_r=0
32歳の音楽教師、シリア難民。“Every time I go to a new country,I buy a SIM card and activate the Internet and download the map to locate myself”8月27日付INYT(インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ)。取材はセルビアで。
“I would never have been able to arrive at my destination without my smartphone,” he added. “I get stressed out when the battery even starts to get low.”
Technology has transformed this 21st-century version of a refugee crisis, not least by making it easier for millions more people to move.
この記事の最後に出てくる39歳男性のコメントと、締めの一文が沁みる。犯罪捜査でスマホは宝の山だそうだが、スマホにはまさに「ライフログ」、その人の「生活の記録」がそのまま刻まれている。
Shadad Alhassan, 39, said he had “lost everything” when his home was bombed in Damascus, where he once worked installing electrical inverters in a skyscraper under construction.
“My wife died in the bombing,” he said. “Now I have nothing left besides my two sons.” He indicated Wassem, 10, and Nazih, 9, sitting with him on a sleeping bag on the dirt in the park.
His smartphone held photographs, his only connection to the life he once lived.
▼上の記事の途中にリンクがある、NYTの難民危機特集の記事。これもデスクトップで見ると写真がデカくて印象的だ。
The Global Refugee Crisis, Region by Region
By PATRICK BOEHLER and SERGIO PEÇANHA
UPDATED August 26, 2015
http://www.nytimes.com/interactive/2015/06/09/world/migrants-global-refugee-crisis-mediterranean-ukraine-syria-rohingya-malaysia-iraq.html
ウェブの中では、雑誌よりも大きくスペースを使えるわけだ。最近、見た目が美しいニュースサイトがどんどん増えている。その美しさと、美しくて見やすい器に盛られるニュースの凄惨さとの落差が、ニュースに接する者の心を不安定にさせる。
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竹山綴労
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2015年9月3日木曜日
欧州難民危機、二人の佐野氏、えとせとら
【メディア草紙 1968】2015年9月3日(木)
■欧州難民危機、二人の佐野氏、えとせとら■
freespeech21@yahoo.co.jp
http://offnote21.blogspot.jp/
▼お久しぶりでございます。久しぶりに開通しました。
このごろ、ツイッターの「メディア草紙(竹山綴労)」のほうで、細かくメモを刻んでます。
@offnote_
https://twitter.com/offnote_
どうもまとめて書き込む時間と体力がないもので、これらのツイートやリツイートを、少し整理して発信してみます。なので、メルマガのほうもタイトルをちょっと変更。(しばらくしたら、また戻すかも)
▼メモするのは、気になった言葉、ニュース、ニュースに対するコメントなど。主なテーマのかたまりを、メルマガの見出しにしてみます。今号の場合は、「欧州難民危機」と、「二人の佐野氏」(五輪エンブレム白紙撤回)について。それ以外にも、へー、と感じる内容があると思います。
▼と▼の間が長文になってる場合は、もとのツイートに書き足しているわけですナ。「続」は、この話題は次のツイートに続きますよ、という意味。※は註。
▼さて、これまでどおり、「マスメディアとつきあう方法」を
みくらべる(空間軸、地理的思考)
さかのぼる(時間軸、歴史的思考)
よびなおす(価値判断)
という問題意識は変わらない。もちろん、今までと同じように、一つのテーマで長く書く場合もある(たぶん)。断続的かつ流動的で恐縮ですが、考える素材、動くきっかけとして、今後ともごひいきに。
【2015年9月2日のツイートなどから】
▼〈定住とは、自分自身と分かち難く、場所を愛すること〉
梨木香歩「風と双眼鏡、膝掛け毛布」4「大の字のつく地名 大熊」、「ちくま」2015年9月号▼いい連載だ。
▼のぞ=立葉名 希 @nozo5cm_s
困ってる子がいたら見せてあげて($・・)/ ストップいじめ!ナビ - いますぐ役立つ脱出策
http://stopijime.jp/
#いじめナビ
https://twitter.com/nozo5cm_s/status/638210777682325504/photo/1
▼「女子にコサイン教えて何になる?」発言の伊藤祐一郎鹿児島県知事。「口が滑った」そうだが、口が滑る、とは角川の類語新辞典によると〈大事なことを漏らす〉〈黙っているつもりであったことをうっかり言ってしまう〉意味。つまり「本音」だよね。「男子にコサイン教えて何になる?」とは言わない。続
▼この女性蔑視知事をめぐり、東京・中山洋子記者のまとめ記事が、ところどころユーモラスにも読めて面白い。9月2日付▼〈女性蔑視、数学好きも反発〉「三角関数を蔑視するのか」と数学好きから反発を招いた〉続
▼三角関数についての著書があるタテノカズヒロ氏のコメント〈「コサインなめんなよ、と思っている人がたくさんいるんだと分かった」と感慨深げに話した…「…三角関数がなければ携帯電話も作れない」〉続
▼記事の締めには、名著『論理的に考え、書く力』で知られる数学者・芳沢光雄氏の「学問が試験勉強のためのものに矮小化されているから」という背景の説明もあり。いい記事だ。
▼元村有希子 @chibigenome
#三角関数 連想続く。作家の曽野綾子さんもかつて「二次関数習ったけど社会で使ったことがない(だから習う必要がない)」趣旨の発言をして物議をかもしました。共通しているのは、自分や身の回りの傾向を一般化してしまう無邪気さ。それにジェンダーバイアスが絡んで悪質なのが今回。
▼五輪エンブレム白紙撤回。佐野氏の「原案」も白井敬尚氏のデザインとそっくりだったが、白井氏いわく「原案も、丸・三角・四角という最もシンプルな抽象形態の組み合わせなので、その意味では類似性は免れないが、ただそれだけでは(模倣かどうか)判断しかねる」日経9月2日付▼そりゃそうだナ。続
▼模倣、盗作、盗用、トレース、パクリ。いろんな言葉が飛び交ってわかりにくい。続
▼結局、佐野氏の「原案」は、何に似ていたから変更を求められたのか、わからない。これから公表されるのかナ?▼たくさん応募があったそうだから、二番手、三番手だったデザインも知りたいものだ▼「オリジナルとは何か」という問いは、商売と骨絡みの「近代」以降の問題であり、なかなか深い。続
▼デザイナーの佐野研二郎氏も、パクリ作家の佐野眞一氏も、盗作の過去がバレて信用を失った▼佐野眞一氏は複数の盗作がバレたにもかかわらず、まだ仕事がある。出版業界は「儲かる」から使い続けるわけだ。ずいぶん恥知らずな風習だと思う▼デザイン業界と出版業界と、共通点はあるのだろうか。続
▼@Lingualina 氏が〈デザイナーが作ったものを…手を加えて、著作権もなくて、ただの原案者にしちゃって、取り下げることも許されなくて、んで色々とヤバイことがバレたら責任押しつけて切り捨てるジジイ団体の罪〉と鋭く指摘したが、これは「法人」という存在につきまとう悪でもある。
▼大原ケイ @Lingualina
でもまぁ、「DJ」とかいう人様の作った音楽を組み合わせて高いギャラをもらうという、わけわからんちんなお仕事も世の中には存在することですし、「グラフィックアレンジャー」とか「画像組合せ業」とか、ハイパーメディアなコーディネーターっぽい新しいお仕事のプロってことでいいんじゃない?
▼大原ケイ @Lingualina
でもちゃんと使用許可はもらってライセンス料は払いましょう。←やっぱりそこにこだわりたいw
▼〈小さな子が少しだけ刺激的な映像を見たって、別にいいじゃないの。遅かれ早かれ、いつかは性に目覚めるのですから〉紗倉まな氏、週プレ9月14日号▼「セクシー女優」という肩書に違和感があるという。〈セクシーという境界線を突破して、もはやAVに出演しているのですから〉▼そりゃそうだ。続
▼ついでに同号から、未公開株のチンピラ武藤貴也国会議員について▼佐藤優氏「それにしても1億円を借りるって、金額がデカいですからね」鈴木宗男氏「私なんて400万円の領収書を切って捕まるんですから、世の中、理不尽です(笑)」▼やっぱこの2人、つえーな。
▼独メルケル首相は、難民危機はEUにとってギリシャの財政崩壊(メルトダウン)より大きな試練だと発言INYT8月31日付▼しかし在京紙のデスク陣にとって、難民危機は「遠い」から、ギリシャ危機より小さな記事になる。現場の無数の知恵や矛盾や妥協を報じてほしい。すでに「他人事」ではない。ニッポンでも、2011年から大量の国内避難民がいる。
※この欧州難民危機、数日前から幾つかメモしている。インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ(INYT)やBBC、CNNなどをチラチラ眺めるだけでも、ヨーロッパがとんでもないことになっていることがわかる。
▼32歳の音楽教師、シリア難民。“Every time I go to a new country,I buy a SIM card and activate the Internet and download the map to locate myself”8月27日付INYT(インターナショナル・ニューヨーク・タイムズ)。取材はセルビアで。
“I would never have been able to arrive at my destination without my smartphone,” he added. “I get stressed out when the battery even starts to get low.”
Technology has transformed this 21st-century version of a refugee crisis, not least by making it easier for millions more people to move.
▼A 21st-Century Migrant’s Essentials: Food, Shelter, Smartphone
By MATTHEW BRUNWASSER AUG. 25, 2015
という記事。難民にスマホは必需品の由。知ってなるほどと唸ったが、知らないと想像できないものだ。日本語メディアで、難民問題について、生活感情の伝わる記事を書いてほしいものだ。
共同通信には、欧州の難民問題の見開き特集を企画してほしい。各ブロック紙、県紙が1面に突っ込んで、読者にページをめくらせるような。
▼deepthroat @gloomynews
AFP◆首都ブダペストの駅が難民キャンプに、ハンガリー http://www.afpbb.com/articles/-/3058718 「地元の女性(60)は「苦しんでいる赤ちゃんを見るのはつらい」と語り、おむつやおもちゃをボランティアの人々に寄付した」
▼大井真理子 @MarikoOiBBC
This pic breaks my heart #SyrianRefugee crisis シリア難民の子供の溺死体がトルコ沖に流れ着いた写真。シェアすることへの批判もあるけど、こういう現実を伝えるのが報道の意義だと思うから。
https://twitter.com/ihhen/status/639008503378546689
▼BBC News Japan @bbcnewsjapan
【BBCニュース日本語ビデオ】 90秒解説 移民が押し寄せるEU、受け入れの仕組みは
https://www.youtube.com/watch?v=Jf1-SmALyzY&feature=youtu.be
▼高遠菜穂子 @NahokoTakato
ドイツもすごいがアイスランドもすごい。「我が家で難民受け入れます」
Thousands of Icelanders are offering Syrian refugees their homes
http://www.independent.co.uk/news/world/europe/more-than-11000-icelanders-offer-to-house-syrian-refugees-to-help-european-crisis-10480505.html
▼伊勢崎賢治 @isezakikenji
日本領海内で米艦が攻撃されたら、それに参戦するのは、他国の攻撃を自国の攻撃と見なす集団防衛である日米安保の「条約上の義務」としての個別的自衛権の行使として説明できる。集団的自衛権ではない。
▼伊勢崎賢治 @isezakikenji
集団的自衛権は、米本土が再びテロ攻撃されて、「イスラム国」が犯行声明をし、「次は日本だ」って言ったような場合。これは、蓋然性というか、このくらいでは、NATO諸国でも参戦は難しいだろう。
▼伊勢崎賢治 @isezakikenji
だから、安保法制の真意は、集団的自衛権ではなく、日米の「集団防衛」の施政領域を拡大したいだけ。ターゲットは、中国のみ。
▼伊勢崎賢治 @isezakikenji
集団的自衛権が容認されても、まだ集団防衛がある。9条はまだ完全に空洞化されてないぞ! わーい
▼伊勢崎賢治 @isezakikenji
- 9条が忌諱するものの順位。最下位の方から。自衛隊の存在=個別的自衛権<(国連)集団安全保障<集団的自衛権<集団防衛。
▼伊勢崎賢治 @isezakikenji
安倍政権の真意は、日本の施政領域に限られた集団防衛(集団的自衛権ではない)である日米安保の領域を拡大し、米豪、米比条約と連動して、対中国の海洋「集団防衛」体制を築くこと。集団的自衛権に囚われていると、ここが見えなくなる。
▼あざらしじいさん泥憲和 @ndoro19542566
「法案が通らないと日本は孤立する」(衛藤晟一首相補佐官)もうそんな脅しは通用しない。日本のPKO派遣はドイツ・カナダよりも多く、イギリスなみの貢献だ。アメリカは自衛隊の半分以下。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2015090202000136.html https://twitter.com/ndoro19542566/status/638932071658844160/photo/1
▼september_tokyo @september_tokyo
- 【1923年9月2日昼/神楽坂下 警察署前の凶行】
http://tokyo1923-2013.blogspot.jp/2013/09/192392_2.html?spref=tw
ブログ/9月、東京の路上で #九月東京 #神楽坂
▼賢い@gloomynews: 共同◆参加者数12万、それとも3万? 国会前の反安保集会
生活の党東京都第10区総支部長多ケ谷亮さんが、国会周辺の地下鉄駅を当日降りた客の数を調べたところ、前週と比べ、最低でも5万5千人以上多かった
▼藤田孝典 @fujitatakanori
- 生活保護世帯が過去最多、半数近くが高齢者世帯
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20150902-00000032-jnn-soci
65歳以上の高齢者世帯が特に増加し、全体の半数近くを占めていて、厚労省は「生活に困窮している単身の高齢者世帯が増加していることが要因のひとつではないか」と分析しています。
▼cnn_co_jp @cnn_co_jp
- 保安官助手、手を上げた男性を射殺か 現場映像公開 米
http://www.cnn.co.jp/usa/35069826.html?ref=rss
▼大原ケイ @Lingualina
医学的、物理的なトラブルを回避するためのルールだったのに、それを「マナー」と呼ぶからこうなっちゃんたんだよ。→ 総務省が衝撃の発表「携帯電話でペースメーカーが誤作動する可能性はまずない」 | netgeek
http://netgeek.biz/archives/47508
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